>北海道で暮らす人・暮らし方>山は宝でいっぱい!これが林業女子のワークライフバランス

北海道で暮らす人・暮らし方
中川町

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道北の中川町で、国有林や自社所有の森林の造林、木材製造を行う天塩川工業株式会社。ここに、重機オペレーターの若手の女性がいると聞き、お話を聞きにきました。
その方は、入社3年目の坂本真帆さん。ショートカットが似合う穏やかそうな女性ですが、仕事となると、山の中に入って大きな重機を乗りこなしているといいます。入社のきっかけは何だったのでしょうか?

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「ちょうど、転職活動をしている時に大学時代の友人に声を掛けられて、会社見学に来ました。林業にも興味がありましたので、どちらかというと私は付き添いで来たのですが、私の方が会社に惹かれてしまって、入社することになったんです」

長野県出身の坂本さん。外に出て動くのが好きな活発なタイプで、高校も林業科を選びました。高校在学中に、車両系建設機械やフォークリフトなど林業に必要な重機の資格を取得。高校の授業で聞いた野生動物による森林被害の話に関心を持ち、卒業後は酪農学園大学で森林の野生動物の管理について学びました。

その後、重機の資格を生かして農業土木の作業員として働いていたのですが、体調を崩したのを機に退職します。そして、次の職を探していた時、友人も転職活動をしていたのです。

取材当日、入り口にて。会社見学で歓迎されたお二人が目に浮かびます


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坂本さんが天塩川工業に入社したいと思った理由は、なんといってもそのアットホームさ。

「2回目に来た時に、社員の方と一緒に一杯飲もうと言われ、社長の手作りの刺身が出てきました。思っていた会社見学とは全く違い、社員も若い人が多くて話しやすく、仲が良さそうだったのが印象に残りました」

優しい先輩たち

大学在学中、社会人と江別市に住んでいて、中川町には初めて訪れました。「実家がある長野が結構寒く、江別もそれほど変わらないと思っていたのですが、こちらに来たら格段に寒い。テレビで見ていた北海道の風景が待っていました(笑)」

天塩川工業の今野強社長は、男女分け隔てなく採用するという考え方です。
「坂本は、やりたいと言って来てくれたので。この仕事は、意欲さえあれば慣れたらできるようになります。今では、ハンデなく男性と一緒に活躍してくれてますよ」と太鼓判を押します。「他の建設会社からも、『坂本をうちにくれないか』と言われたけど、本人はここから動きたくないと言ってるからね(笑)」と、坂本さんを娘のように可愛がっている様子が伝わります。

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高校時代と前職で重機の操作は経験していたものの、整備された農地と山の中では勝手が違ったといいます。
「山には草に覆われた切り株があったりして、重機でバックして乗り上げてしまい、前にも後ろにも動けない、なんてことも。よく先輩に助けてもらいましたね」
山では、チェーンソーで切って倒した木を、重機を使って運び出します。機械の操作自体は力を必要としないので、女性でも男性と同じように活躍することができるのです。特に近年は機械化がどんどん進んでいるので、坂本さんのような林業女子も増えてきています。

機械を握る手が頼もしい

夏場は、山に生えている下草刈りの作業もあります。これは外で手刈りをするのですが、
「ヨーイドン!で始めても、先輩たちは早くて全然追いつけません。間違って苗を切ってしまうこともあるので、もっと上手にできるようになりたいですね。外で木を切る作業なども、全部できるようになりたいです!」と意欲を燃やしています。
作業員は坂本さん以外男性だけですが、先輩が優しく仕事を教えてくれたり、助けてくれるので、すっかり馴染んでいます。

入社当初から、町の委嘱で携わっているクリーンラーチという新品種の苗木の育成も担当。約10年かけて種子を採取し、殖やしていくのが目的です。専門家のアドバイスを受け、木を補強する接ぎ木などの作業をしながら苗を育てています。
「接ぎ木をしたのも初めてで、うまくできるかなと不安でした。最初の冬は、接ぎ木をしたばかりの木が死んでしまい、悔しかったですが残っている木は順調に育っていて、種をつけるのが楽しみですね」

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坂本さんが山に入った時は、もう一つ違った視点も。
「木を植え付けした場所の苗が食べられていたり、鹿の足跡があったら、この辺は出るなと思って。休みの日に、銃を持って見に行きます」
そうです。坂本さんは、狩猟免許を持ち、ハンターとしても活動しているのです。大学在学中に免許を取り、天塩川工業に入社してからは社長がハンターをしているため、坂本さんも本格的に活動を始めました。

猟銃は撮影できませんでしたが、道具を持つ姿がとても絵になります

最初は猟友会の研修を受けたり、社長と一緒に山に入り、害獣駆除にも協力しており、最近は一人でも入るようになったといいます。
「動物の命をいただくので、山で鹿を見つけたら、撃つのは確実に当たる時だけ。そして、鹿が苦しまないように一発で仕留めます」
とれた鹿の肉を食べるのも狩猟の魅力です。1頭分手に入ったらかなりの量になるので、冷凍して少しずつ料理をして食べています。
「タレに漬けてジンギスカンや、干し肉にしてジャーキーもおいしいです。肉は全部使うようにしています」

山菜採り放題!中川町ライフを満喫

また、山での仕事は、キノコや山菜採りの穴場にも入れるといいます。 「あまり人が来ない場所なので、採り放題です(笑)。休憩時間に採ったり、休日にまた来ようと目星を付けたりします。鹿だけでなくリスや、アカゲラ、クマゲラなどもいて、山は本当に豊かな場所。仕事以外にもたくさん楽しみがあり、フィールドに出るのが好きな人には、林業はピッタリな仕事ですよね」

坂本さんが住んでいる住居は、ワンルームの3階建マンションタイプの町営住宅。家賃は車庫付きで12,000円という羨ましい環境。徒歩圏内にスーパーマーケットやコンビニエンスストアもあり、生活には困ることはないとか。大きな買い物がしたいと思えば車で約1時間半の名寄市に出かけます。

他にも、親切な近所の人が作った野菜を分けてくれたり、自分で採ってきた山菜を食べたり、会社では社長や、奥さんで専務の美津子さんが料理を振る舞ってくれたりと、「食べるものにはとにかく困らないです(笑)。会社では、いつも何か料理のにおいがしています」。料理のにおいと共に、人々のあたたかさに包まれているような生活が垣間見えます。

また、大学時代の友人が道内各地にいるため、予定を合わせて札幌で集まったり、ドライブがてら友人を訪ねたりとアクティブに動いています。
「先日も、帯広にいる友人を訪ねて弾丸で日帰りドライブを決行しました。こちらに来て、片道4時間くらい走るのは普通に感じるようになってしまいましたね(笑)」

仕事と生活が循環する、山は豊かな場所

山に入れない冬場の仕事は、契約している近所の住宅の除雪。雪が降れば朝2時半から作業し、雪がなければ解散して自宅待機になります。北海道の中でも寒い道北で、早朝からの作業は想像を絶しますが、「毎日家の前を除雪してくれてありがとう」とジュースやリンゴをくれる家庭もあるとか。

天塩川工業では、夏も冬も、仕事がある時は集中して取り組み、終わったら解散というスタイルです。夏の暑い時期に行う下草刈りは、気温が上がらない早朝から作業を開始し、昼には終了します。通常時も、1日6時間半程度で作業を終わらせることが多いとか。だから効率的に仕事を行い、事故も防げるのです。そして、余暇時間もしっかり取れるところが、坂本さんも満足しているゆえんです。

林業は、「仕事と生活がつながって循環している」という坂本さん。山の豊かさから仕事のやりがいと生活の楽しさを見つけ、バランスの取れたストレスのない生活を送っていることが伺えました。

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住所

北海道中川郡中川町字中川262番地

電話

01656-7-2505


山は宝でいっぱい!これが林業女子のワークライフバランス

この記事は2020年2月6日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。